投信積み立てを増額

 自社での投信積み立てを継続する必要がなくなったこと、通常NISAをもう使わないことにしたこと、貯金できない体質になってしまっていたので蓄財のために引き落とし額を増やそうと思ったことなどから、つみたてNISAを移管して投信積み立てを増額することにしました。

 従来やってきたのは楽天証券で楽天ポイントの消化とポイント付与率アップのために毎月500円ずつ買い付けてた全米株式とひふみワールドだけです。それなりに増えてますね。

 これをそのまま増額してもいいかなと思ったのですが、ここで考えないといけないのはiDeCoとの兼ね合いです。積み立て比率はときどきいじってたんですが、概ね残高が望む感じの構成になってきたので今後もうしばらくこの比率で行く予定です。商品が多くてわかりにくいですがだいたい半分が米国株で残りがその他という感じになっているんですね。

 「このまま投信積み立ても米国株寄りにしてしまうと米国株だらけになってしまうな・・・他の地域、特に新興国が全然入ってないからそっちのほうをやりたいな」という気持ちになりました。これを考え出したのが10月頃だったのですが、中国の共同富裕の話題が盛んで中国TI大手のBATの値下がりが大きく、積み立てで長期的にポジション作っていくならこのあたりの株式が多く組み込まれたやつにしようという方針に。

 ざっと調べてるとMSCIチャイナ指数が理想的な構成比率であることに辿り着くのですが、楽天にはこれに連動する投信の取り扱いがないのです。ワンショットで買うならこのETFを買えばいいんでしょうが、今回は投信の積み立てでやりたいのでこれはパスです。諦めて端から内容を確認して買い付けしていくことにしました。

 ひとつめは「深セン・イノベーション株式ファンド」です。中国のシリコンバレーとして知られる深センに着目し、イノベーション企業の成長を積極的に捉えてくれるそうです。頼もしいですね。コンセプト通りテクノロジー系のセクター比率が高いですが、どんな会社なのか全然わかりません。管理費用(税込み)は1.705%です。成長力の高い新興銘柄を目利きで選んでくれるのだから多少の経費には目をつむらないといけません。

 続いては「iFreeActive チャイナⅩ(テン)」です。インデックスファンドのiFreeシリーズのアクティブファンドですね。内容としては、「中国ニューエコノミー・マザーファンド」を通じて、中国ニューエコノミー関連株式(中国におけるITと既存産業の融合により生まれる新たな産業や技術の高度化に伴って高付加価値化した産業に関連する株式)に投資することにより、信託財産の成長をめざして運用を行うんだそうです。ニューエコノミーですからね、負ける気がしません。こちらは少し名前を聞いたことがある銘柄が入っていますし、全部で20銘柄ということなので結構な集中スタイルです。こんな素晴らしい内容なのに管理費用(税込み)は1.221%。激安。

 3つ目は「UBS中国新時代株式ファンド(年1回決算型)」。中国籍、香港籍もしくは主に中国に活動拠点を置く企業等の株式に投資するそうで、その中でも構造的な成長が期待されるセクターの中で、相対的に高い競争優位性を有する企業を選別し投資を行うんだそうです。グラフ付きで説明も簡素で見やすい月報ですね。ニッコリしちゃいます。このファンドは69銘柄組み入れしているのに、組み入れトップはテンセントだけでほぼ10%で攻めてるなと思ったら、よく見るとアリババはADRと香港籍の両方があって合計すると9.2%で実質2位でこの2社でほぼ20%になるわけで、ファンド名はよくある平凡な感じなのに攻め方がハンパなくて気に入りました。実質的な管理費用(税込み)が2.083%でも泣かない!期待しかない!

 方針にあう投信は以上の3つしかなく全てつみたてNISA対象外のコテコテのアクティブファンドです。というか、つみたてNISA対象の新興国ファンドはEEM連動しかないんですね。おじさん絶望しました。選択肢少なすぎです。新興国はひとくちに新興国といっても成長のステージが異なる国の集合体で出口のタイミングが異なるので一本の投信でまとめて投資はいかがなものか…と思ってるタイプの人間なので。

 どうせ課税口座で新興国株投信の積み立てはじめるなら今は下火になっているBAT系株式と同様にフロンティア株式も長い目で見れば有望なんじゃないかというのと、成長ステージがある程度揃ってる集合体という意味で買うならフロンティア株でしょ、という気持ちは以前からあったので方針が拡張されました。

 ということで、まず「HSBC ニューフロンティア株式オープン」です。フロンティア諸国の企業、フロンティア諸国における事業活動がかなりの部分を占める企業の株式等に投資をし、主に中東からアフリカ、アジア、中南米など幅広い地域の株式に分散投資していきます。投資国も銘柄数も多め。もちろん全然わかりません。でもこのファンドはBRICsファンドでも実績のあるHSBCなので安心です。管理費用(税込み)も2.089%と安心の高さ。さらに信託財産留保額0.5%もあるよ(泣)!フロンティアと銘打ってても東・東南アジアばかりのファンドが多い中できちんとフロンティアしてるのがポイント高かったです。

 お次は「グローイング・フロンティア株式ファンド」。もう名前から成長感が溢れ出てて好印象です。運用はFoFs形式で、ティー・ロウ・プライス・ファンズSICAVーフロンティア・マーケッツ・エクイティ・ファンドへの投資を通じて、フロンティア諸国の企業の株式等に投資を行います。フロンティア諸国において、持続的に高い利益成長が見込まれる企業の株式等に投資し、フロンティア諸国の業績寄与が高い先進国、新興国の企業の株式にも投資していきます。投資対象国が多岐にわたっているのと、特にベトナムが30%と圧倒的比率を占めているのが特徴でしょうか。ベトナムはまだ人口ボーナスが続いていますし、外資規制が緩和されたとはいえ直接買うにはドンの交換手数料がエグいので投信で投資できるのは結構助かります。管理費用(税込み)は2.08025%で新興国に投資するFoFsなら仕方ないですね。ここまで来るともう2%超えも慣れました。

 最後は「iTrust新興国株式【愛称】働きざかり~労働人口増加国限定~」です。ピクテAMのネット専用格安ブランドのiTrustシリーズから新興国ファンドです。愛称の通り、労働人口(15-64歳の生産年齢人口)が拡大している国に注目し、相対的に高い経済成長が期待される国を厳選し投資します。このファンドだけは運用開始から実績も振るわないし特定の国への組み入れ比率が高くてイケてないな~と思っているのですが、この先何が起こるかはわかりませんからね。管理費用(税込み)は激安の1.1775%なので負担も少ないですし、通常なら選ばないだろう商品を選択することで意思決定バイアスの分散になるので。

 以上6ファンドを先月11月から買っています。まだはじめたばかりなのでどうなるのかわかりませんが、しばらく経ったら運用成果の報告もしたいですね。結局来年からつみたてNISAでなに買うのかはまだ決まってないままですが…

老後資金2000万円問題

人生100年時代、2000万円が不足 金融庁が報告書:日本経済新聞 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO45636720T00C19A6EE8000/

 前述のとおり、夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職の世帯では毎月の不足額の平均は約5万円であり、まだ20~30年の人生があるとすれば、不足額の総額は単純計算で 1300万円~2000万円になる。この金額はあくまで平均の不足額から導きだしたものであり、不足額は各々の収入・支出の状況やライフスタイル等によって大きく異なる。当然不足しない場合もありうるが、これまでより長く生きる以上、いずれにせよ今までより多くのお金が必要となり、長く生きることに応じて資産寿命を延ばすことが必要になってくるものと考えられる。重要なことは、長寿化の進展も踏まえて、年齢別、男女別の平均余命などを参考にしたうえで、老後の生活において公的年金以外で賄わなければいけない金額がどの程度になるか、考えてみることである。それを考え始めた時期が現役期であれば、後で述べる長期・積立・分散投資による資産形成の検討を、リタイヤ期前後であれば、自身の就労状況の見込みや保有している金融資産や退職金などを踏まえて後の資産管理をどう行っていくかなど、生涯に亘る計画的な長期の資産形成・管理の重要性を認識することが重要である。

金融審議会 「市場ワーキング・グループ」報告書 の公表について

年金への根強い不安露呈 「老後2000万円」報告書撤回:日本経済新聞 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO45973070R10C19A6EA1000/

官房長官、老後2000万円不足問題「NISAなどで資産形成を」:日本経済新聞 https://www.nikkei.com/article/DGXLASFL13H89_T10C19A6000000/

「老後資産2000万円」問題、私的年金の議論に冷や水:日本経済新聞 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO46066720T10C19A6EE8000/

年金改革遅れに懸念 「老後資産2000万円」政府火消し:日本経済新聞 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO46007370S9A610C1EE8000/

 一応、記事にしておいたほうがいいかなと思って全部読みました。

 読むまではテキトーにあーだこーだ言ってたけども、本当に単純計算で平均収入額と平均支出額の差が毎月5万円、長生きしたら最大2000万円不足するという試算というだけ。
 当然、退職金があれば退職金で足りるけど、退職金も支給水準下がってるし、雇用の流動化やフリーランスなど様々な働き方も出てきてそもそも退職金ない人も最近は増えてきてる。
 失われた20年のせいで賃金は伸び悩んでるし、人口ピラミッドは今後もずっとつぼ型が見込まれるから年金も増えないだろうから収入はなかなか増えない。一方で税金や保険料は上がる一方で楽になる見込みはない。
 でも今の高齢者は昔に比べて元気だからこれからも長く働けそう。
 30代以上の半分の人は老後のこと考えてて、みんなお金のことが不安。老後対策で長く働くのを考えてる人は一番多いけど、3割くらいの人は若いうちからの資産運用も手かなとわかってる。でも実行してる人は2割以下(金融機関のせい)。

 ざっくりこんな前段を踏まえて冒頭の引用部分の結論って感じ。昨年9月から計12回の議論を経た報告書だけあって至極真っ当な内容。

 それでこんな風になるなんてもう年金の改革なんて無理だわ。今の公的年金なんてろくに貰えないってわかってて、自分でなんか手を打たないと老後はどうなるかわかったもんじゃないって若者はみんな思ってる。それを国が公式にアナウンスしただけでこの反応だと、年金改革なんてやろうなんていう政治家が出てくるわけないよね。国だって「みんなわかってるのを整理して報告書あげただけだよ!なんだよ!」ってハシゴ外れた気分だろうね。

 マクロ経済スライドだって全然発動しないし、在職老齢年金の廃止も検討されているし、支給を減らすどころじゃない。こんなんじゃこのままずっといって、もういよいよ公的年金の制度維持不能な状態になって、そのときの閣僚および関係役人全員の首と引き換えにごめんなさいするしかなさそう。 麻生さんが報告書撤回して、関係者が火消しに走ったところで現時点でさえ年金が足りてない現実は変わらないんだし。 ほんと政治家ってなんなんだろう

 ちなみに報告書ではやっぱりつみたてNISAとiDeCoが有力な資産形成手段としていた。一般NISAが退職金の受け皿として期待しているっていうのには笑ったけど。前者2制度をより充実させるべきとの提言があった。
 つみたてNISAは非課税期間の恒久化、条件付きでのスイッチングの許可、配偶者死亡時の非課税枠の引き継ぎ。iDeCoは拠出可能年齢の引き上げ、利便性向上・働き方の多様化への対応、拠出限度額のあり方について。

 これらはもうあと何年も議論すらされなくなってしまったわけで。年金は改革進まないし、自助努力の手段も拡充されない。ほんとどうすんだろ

おまかせ市場

 今日Twitter見てたら「みんなどんだけおまかせするの好きなんだ?」というつぶやきを見かけたので、ちょっとまとめて見ようかと思って。

 そりゃ「おまかせ楽チン運用」はこのところで一番勢い増してきてるから当然ですよ!なんせ「自分で勉強したくないし、運用に時間も割きたくないけどお金だけは増やしたい」っていう鴨がネギ背負ってるような人種相手の商売ですからね!

ドコモの「dポイント投資」、利用者が40万人超:日本経済新聞
もうひとつのロボアドベンチャーお金のデザインのTHEOは9か月でドコモからの顧客が40万人を突破と。残高は書いてないからそんな多くないのかなとは思うけど件数すごいわ。そんなにやってる人いるの!

他にどんなのが人気あるのかなー?ということでレッツゴー!

ダイワのファンドラップ=約2兆円

 渡辺謙のCMでおなじみのダイワのファンドラップ。
 おそらく主なターゲットは既存顧客の相続資金を引き継ぐ子供世代なんだろうけど、彼らはまだ現役だから個別株をアクティブに取引する時間もないし、みんながみんな投資に明るいわけでもない。受け皿としてインデックスファンドもあるけど、こんなのにされたら全然手数料も取れない…。ということで動いてくれない顧客の資金から預かったまま手数料をむしり取るのがファンドラップなわけですが、2兆円かぁ。残高で断トツですもんね(確か)。すごい。
 もちろん同業他社もファンドラップあるけど残高探すの面倒だったので省略。

トレンド・アロケーション・オープン=1593億円

 自分の記憶する限り、おそらく昨今のバランス型(資産複合型)での資産配分変更型(アロケーション型)のはしりだったのでは?と記憶してるんだけど定かではない…。アロケーション型はざっくり「相場にあわせてファンドのほうで決められたルールの範囲内で勝手に組み入れ内容いじってパフォーマンスを目指すよ」というもの。国際投信はグロソブといい新しい流れを作るのは得意なのにパフォーマンスはイマイチ…

東京海上・円資産バランスファンド(毎月・年1)(愛称:円奏会)=6534億円

 アロケーション型でぶっちぎりの残高トップ。全公募投信の中でも7位。
 他のファンドと違って複雑なストラテジーを持たず、シンプルでかつパフォーマンスもいいので納得の売れ行き。昨年のファンドオブザイヤーのバランス型部門で最優秀賞。ちなみに昨年国内株式型で唯一プラスだったジャパン・オーナーズ株式オープンも東京海上AM。

投資のソムリエ=1165億円

リスク抑制世界8資産バランスファンド(愛称:しあわせの一歩)=1128億円

 使用しているマザーファンドおよび運用手法は同じ兄弟ファンド。違うのは投資のソムリエはリスク目標4%程度で年2回決算。しあわせの一歩はリスク目標2%程度で年6回決算。アセマネONEが主要取引先として名前が載っているアイフィス・ジャパン(7833)の定性情報ではバランス型が売れているとの記述があったので2018年はよく売れていたみたい。

スマート・ファイブ(毎月・年1)=3381億円

ファイン・ブレンド(毎月・資産成長)=416億円

 これまた兄弟ファンド。というか双子。商品名が違うだけで中身まったく一緒っていう。それなのにこの残高の差はなんなんだろうね…。 運用手法はリスク・パリティ。昨年2月の急落時の犯人役のアレです。 ファンドオブザイヤーバランス型部門優秀賞。

日興ブラックロック・ハイ・クオリティ・アロケーション・ファンド(為替ヘッジなし・限定為替ヘッジ/年2回)=1172億円

 信託報酬2.0304%という化け物。リスク抑え目のくせに初年度5%むしり取るとか絶対顧客儲けさせる気ないでしょ、このファンド。中身も複雑でわざとわかりにくくしてすごそうに見せてコストむしってるのかなと思わざるを得ない。

 ホントはこのほかにファンドラップ=投資一任勘定契約を投資信託にした「ラップ投信」というのがあって、各社「のむラップ(野村AM)」「コアラップ(三井住友トラストAM」「スマラップ(三菱UFJ国際)」「らっぷちゃん(三井住友AM)」「ゆめラップ(HSBC)」「R246(りそなAM)」「Mラップ(アセマネONE」等々あるんですが、ラップ投信売るよりはファンドラップ売った方がよっぽど手数料取れるのもあってそんな人気ないから割愛。

 さらに言えば、最近金融庁が毎月分配とさりげなく元本を取り崩す構造を問題視したせいで、最近各社がこぞって作ってる隔月分配の取り崩し宣言型のファンドもだいたいアロケーション型のようで。ゆる~くインフレに負けない程度に運用して同じ取り崩すにしても貯金のままよりはお金の寿命を伸ばしてあげることで人生100年時代に対応するっていうシロモノ。これは実はどんなファンドがあるか知らないから割愛。

 あれ、割愛したら急に終わってしまった…

まとめ的な

 アメリカを投資先進国にした401k普及の立役者のターゲット・イヤー・ファンドだって一種アロケーション型といえるような仕組みであるし、冒頭ではカモを逃がさず捕まえるには「おまかせ」でガッポリと書いたけど、実際のところ資産運用に興味のないマジョリティのお金を引っ張ってくるに「おまかせ」の仕組みが必要なのは明らか。みんなが勉強して自分で取り組んだらそれはそれで怖いわw

 自分もウェルスナビはやったことあるけども、自分で管理するのに慣れてる人間からすると退屈でしょうがなくて、自分に決定権のないサービスに預けておくのが嫌で嫌で数か月で解約してしまったから、自分で考えてやる投資家からすると呆れるようなトレンドなのは理解できる。

 でも、自分で勉強したくない人はもちろん、勉強する人だってみんながみんな自分のお金の管理に時間割けるとは限らない。知名度か、内容か、判断は人それぞれだけど、納得して管理してくれる相手を選定してまかせるっていうのも今後は立派な選択肢になっていくんだろうなぁとは思う。

 ロボアドとかポイント投資とかファンドラップとか、うまいことばっかり言って取っつきやすさ重視で実際のところどうなのよ?というのはあるけど、入口は入りやすいようになっていないとね。
 今までの切った張ったで一発当てる株や、流行追いかけるテーマ型ファンドが取り沙汰されてるのとはまったく違う動きなわけで、日本で「自分で考えない層」にまで投資が普及していく過程としては健全だと思うので、できればこの流れが続いてくれればいいなと個人的には思いますまる